蓼科の今
2016.11.05
こんにちは。本日のブログ担当の岩下です。今朝9時の気温は5℃、天候は晴れとなっております。
さて先日「JOMON美土偶グランプリ」で、茅野市が誇る国宝"縄文のビーナス"が見事1位を獲得しました。
以前このブログでは、"縄文のビーナス"を含む長野県の8点の国宝をご紹介しました。
長野県の国宝
・国宝土偶"縄文のビーナス"(茅野市棚畑遺跡)
・国宝土偶"仮面の女神"(茅野市中ッ原遺跡)
・善光寺本堂(長野市)
・松本城天守(松本市)
・仁科神明宮(大町市)
・大法寺三重塔(青木村)
・安楽寺八角三重塔(上田市)
・白楽茶碗(銘 不二山)(諏訪市 サンリツ服部美術館所蔵)
その後、諏訪市のサンリツ服部美術館に、修復中であった国宝の水墨画(可翁筆「寒山図」)があることがわかり、また2014年に指定された茅野市中ッ原遺跡の土偶と一緒に発掘された土器8点も、国宝に指定されていることがわかりました。
今回はこれらについてご紹介しましょう。
写真は仮面の女神と一緒に発掘された土器8点のうちの2点です。いずれも実物が尖石縄文考古館に展示されています。中ッ原遺跡は今から約4000年前の縄文時代後期前半の集落遺跡です。"仮面の女神"は遺跡のほぼ中央にある、お墓と考えられる穴が密集する場所で、穴の中に横たわるように埋められた状態で出土しました。現地では発掘時のまま保存された展示を見ることができます。
国宝に指定された土器は、土偶が埋納された土坑と近接するほかの土坑から出土しました。遺体の顔にかぶせたであろうと考えられています。
「寒山図」は鎌倉時代末期~南北朝時代にかけて活躍した画人可翁の筆によるもので、1952年(昭和27年)に国宝に指定されました。中国唐時代、天台山清国寺にいたとされる高僧、寒山が描かれています。「顔や足が細い筆で写実的に描かれるのに対して、髪の毛や衣服は筆の濃淡や太さを巧みに操って材質、形質をうまく表現し、寒山の存在感を一層引き立たせています」。1977年(昭和52年)には、国宝シリーズの50円切手の図柄にも採用されました。2010年から3年かけて修復され、今年公開されたものです。
11月1日から7日の1週間は、文化庁の推進する「文化財保護強調週間」です。その前後には、長野県でも様々な行事が開催されています。文化財は国民共有の貴重な財産です。この機会に身近な文化財をたずね歩き、日本の歴史や文化に触れてみてはいかがでしょうか。
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