蓼科の今

長野県の「日本の地質百選」

2020.08.13

0.八ヶ岳200813.jpg

こんにちは。本日のブログ担当の岩下です。今朝8時の気温は22℃、天候は曇りとなっております。

日本列島は地震活動や火山活動が活発に起こっている変動帯であり、世界的に見ても特殊な地質環境です。
全国各地でさまざまな興味ある地質現象が見られ、観光資源にもなっています。
それらの情報を広く普及し活用するために、「日本の地質百選」が選定されました。
今回は長野県に関係するスポットをご紹介しましょう。


【八ヶ岳】

1.南八ヶ岳.jpg

2.北八ヶ岳.jpg

八ヶ岳は南の編笠山から北の蓼科山まで南北21㎞にわたって連なる火山群で、岩稜がそびえる南八ヶ岳と、美しい森が広がる北八ヶ岳に分けられます。
北横岳は活火山で、北八ヶ岳ロープウェイで登ると、坪庭溶岩などの生々しい噴火現象を見ることができます。
南八ヶ岳には、かつて富士山よりも高かったとも言われる火山が存在していました。今から約20万年前に大規模な山体崩壊が発生し、岩なだれは40km以上離れた甲府盆地まで達しています。
北杜市付近の国道 20 号沿いに見られる七里岩は、こうしてできました。


八ヶ岳 茅野観光ナビ


【上高地と滝谷花崗岩】

3.焼岳と大正池.jpg

4.ウェストン碑・滝谷花崗岩.jpg

北アルプス焼岳は現在も活発な活動を続けている火山です。1915年(大正4年)の噴火で大正池ができ、その後、上高地は風光明媚な観光地として有名になりました。
大正池から河童橋へ続く遊歩道の途中に、日本の山岳を広く世界に紹介したウェストンの碑があります。
そのレリーフがはめ込まれた岩盤は、滝谷花崗岩と呼ばれています。花崗岩は地下深くでマグマがゆっくり冷え固まってできた岩石で、普通は山が侵食されて地表に出てくるまでには数百万年以上の時間がかかります。
しかし、北アルプスの隆起が急激であったため、滝谷花崗岩はわずか140万年で地表に露出しました。これは世界で最も若い花崗岩と言われています。


 上高地ウェブサイト

【御嶽山】

5.御嶽山200813.jpg

6.白尾火山灰層200813.jpg

2014年(平成26年)の噴火災害がまだ記憶に新しい御嶽山では、この夏の間だけ立入規制が一部緩和され、頂上の剣ヶ峰まで行くことができるようになりました。
火山活動が始まったばかりの78万年前に噴出した火山灰(写真)は遠く関東平野でも降り積もり、世界的な地質年代区分である"チバニアン"の下限を決める決定打になりました。


 木曽おんたけ観光局


【中央構造線(大鹿村)】

7.中央構造線北川露頭200813.jpg

8.中央構造線博物館200813.jpg

諏訪湖の南、杖突峠から遠山郷に続く秋葉街道沿いでは、所々で日本列島を縦断する大断層、中央構造線を直接見ることができます。写真は大鹿村の「北川露頭」です。
この地域は、南アルプスジオパークの一部にもなっています。
中央構造線博物館では、構造線を挟んださまざまな岩石が展示されています。


 大鹿村中央構造線博物館


 南アルプスジオパーク(中央構造線エリア)
 


【白骨温泉と湯俣の噴湯丘】

9.噴湯丘200813.jpg

松本市の白骨温泉には、お湯に炭酸カルシウム分が多く含まれています。そのため、温泉の湧き出し口のまわりに炭酸カルシウム(石灰華)が沈殿し、それが高くなって丘のようになった噴湯丘がたくさんあります。
「白骨温泉の噴湯丘と球状石灰石」は、国の特別天然記念物に指定されています。
また、大町市の高瀬川上流の湯俣には、現在もさかんに活動している噴湯丘があり、国の天然記念物に指定されています。


 松本市ホームページ 白骨温泉の噴湯丘と球状石灰石
 
 長野県公式観光サイト 湯俣温泉噴湯丘


火山や断層(構造線)などは、美しい景観をつくり、温泉などの恵みももたらしてくれます。
一方でひとたび活動が活発になると、大きな災害にもつながります。
地質の情報は、これからますます重要性が増していくものと思われます。

観光のご予定を立てる際には「日本の地質百選」の情報も参考にしていただき、"大地のひみつ"をお楽しみください。


 地質情報ポータルサイト 日本の地質百選

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