蓼科の今
2022.11.30
こんにちは。タウンセンターの岩下です。今朝8時の気温は11℃、天候は小雨となっております。
さて今回は、生誕125年を迎えた洋画家の小山敬三氏(1897-1987、以下敬称略)をご紹介しましょう。
小山敬三は、長野県小諸町(現在の小諸市)の江戸時代から続く豪商の三男として生まれました。
生家は1674年(延宝2年)から味噌や醤油の醸造を営み、今も江戸時代の看板が残っています。
江戸時代、城下町として栄えた小諸は江戸や京都の文化と関わりが深い町でした。小山は子どもの頃から日本画などに親しんでいたそうです。
上田中学時代、水彩画を描いていた小山は、父の反対を押し切って慶応義塾大学を中退、川端画学校で藤島武二に師事しました。
1920年(大正9年)、島崎藤村の勧めでフランスへ留学し、8年間、西洋絵画を学びます。帰国後は神奈川県茅ケ崎市にアトリエを構え、風景画、姫路城や人物画など1987年に没するまで精力的に描き続けました。
アトリエは現在、小諸懐古園内に移築され、小山敬三記念館として公開されています。
画業の功績が認められ、文化勲章など数多くの賞を受賞した小山は、若い頃からの夢「故郷小諸市へ作品と美術館を寄付する」ことを1975年(昭和50年)にかなえました。
設計は建築家村野藤吾氏によるもので、高台の立地を生かした曲線の美しい建物となっています。
小山の代表的な作品といえば浅間山の連作でしょう。グランドプリンスホテル新高輪のロビーの壁には、横12m縦4mの作品、「紅浅間」が展示されています。
その原画は、軽井沢プリンスホテルウエストのロビーにあります。
小山は戦後、夏は軽井沢の別荘に滞在し、浅間山を数多く描きました。
こちらのレリーフは、浅間山のふもと、鬼押し出し園内に設置されています。
小山の作品は上記の他、佐久市立近代美術館、東京国立近代美術館、生涯を過ごした神奈川県の近代美術館や茅ケ崎市美術館に収蔵されています。
躍動感のある浅間山などの作品を観に、ぜひ足をお運びください。
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