蓼科の今

牧野富太郎と信州

2023.05.19

こんにちは。タウンセンター岩下です。今朝8時の気温は14℃、天候は曇りとなっております。

1.牧野富太郎画像b.jpg

現在放送中のNHK連続テレビ小説「らんまん」は、「日本の植物学の父」といわれた牧野富太郎博士(1862年(文久2年)-1957年(昭和32年)、以下敬称略)をモデルとしたフィクションのドラマです。
 今回は牧野富太郎と信州にかかわる話題をご紹介しましょう。

2.230501スエコざさ.jpg

牧野は1927年(昭和2年)に宮城県仙台市で発見した新種の笹に、妻の名から「スエコザサ」と名付けました。
 (学名は Sasaella ramosa (Makino) Makino var. suwekoana (Makino) Sad.Suzuki)
 スエコザサは、葉の片方が裏に向かって巻いてるのが特徴です。

3.笹の本.JPG

スエコザサは、茅野市玉川の上原山林間工業公園(諏訪大社上社御柱祭の山出し綱置き場(曳行開始場所))の近くにある笹離宮でみることができます。
 笹離宮は国内外100種を超えるクマ笹の仲間を集めた笹類専門の植物園です。スエコザサの脇には2023年(令和5年)4月、牧野の句碑が建てられました。
 笹離宮には、笹に関する書籍や飲み物など、さまざまなグッズが取り揃えられています。お越しになる際には、ホームページの開園日カレンダーをご確認ください。

笹離宮ホームページ

4.田中芳男.JPG
牧野は、飯田市出身で「日本の博物館の父」と呼ばれる博物学者、田中芳男博士(1838年(天保9年)ー1916年(大正5年)、以下敬称略)に憧れていました。
 初めて上京した時には、当時農務省に勤務していた田中のもとを訪れ、交流を深めています。
 現在、飯田市美術博物館では田中芳男の企画展が開催されており、牧野が田中へ送った書簡が展示されています。写真の胸像は、博物館の前庭に設置されています。

 飯田市美術博物館ホームページ

5.戸隠山.jpg
牧野は長野市戸隠に何度も訪れています。戸隠で発見され牧野が名付けた植物には、トガクシナズナ、ミヤママンネングサ、キバナノアツモリソウ、オサシダ、ミヤマムラサキ、ハルユキノシタがあります。
 現在、戸隠化石博物館では牧野に関する企画展が開催されています。受付で頒布しているパンフレット「トガクシソウ 3つの名前を持つ花」(100円)も入手しましょう。明治時代の学会のドロドロしたドラマは、"小説よりも奇なり"です。

 戸隠地質化石博物館ホームページ

6.APG原色牧野植物大図鑑Ⅰ箱.jpg

牧野は、1940年(昭和15年)、東京帝国大学を退官後、78歳で研究の集大成である「牧野日本植物図鑑」を刊行しました。この本は後進の研究者らにより改訂を重ねながら出版されています。
 現在は、「APG原色牧野植物大図鑑(Ⅰ・Ⅱ)」が刊行されています(茅野市図書館にもあります)が、この本は大変高価です。「新学生版牧野日本植物図鑑」はポケット版で値段も手頃なのですが、図が白黒なので植物に詳しくない方には使いづらいかもしれません。
 なお、最近の植物図鑑は、被子植物については遺伝子系統分類「APG体系」に準拠しています。お求めになる際には、できるだけ新しいもので、前書きや凡例を見て「APG」と書いてあるものを選ばれるのがよろしいでしょう。 

 牧野は八ヶ岳や霧ヶ峰にも訪れていたそうです。春の草花が目を楽しませてくれるこの時季、図鑑を片手に野山を散策してみてはいかがでしょうか。

一覧ページへ
東急リゾートタウン蓼科LINE公式アカウント
TENOHA TATESHINA
MAP タウンマップ
MAP
close_btn
もりぐらしタウンマップ