蓼科の今

信州ゆかりの人々 伊東豊雄

2023.08.27

こんにちは。タウンセンターの岩下です。今朝8時の気温は21℃、天候は晴れとなっております。

2a.諏訪湖b.jpg

 先月1か月間、日経朝刊の文化面「私の履歴書」では、建築家、伊東豊雄氏(1941-)の経歴が連載されていました。
 伊東氏は信州ともゆかりが深く、手掛けられた建築物が各地にあります。

2b.諏訪湖畔源湯b.jpg
 伊東氏は1941年(昭和16年)に現在のソウル市に生まれ、2歳から中学生までを父の故郷である下諏訪町で過ごしました。
 小学4年の頃、住まいが諏訪湖畔に移り、家の庭からも湖に出られたのでそこでトンボを採り、釣りをして、冬は下駄スケートを履いて学校に通っていました。
 生活のすべてが諏訪湖とともにあり、山々に囲まれた盆地の中に水平に広がる諏訪湖の情景は、後の伊東氏の建築空間に対する感覚に大きな影響を与えているそうです。

3.諏訪湖博物館・赤彦記念館.jpg
◆下諏訪町立諏訪湖博物館・赤彦記念館(1993年 下諏訪町)

 伊東氏は主に住宅建築を手掛けていましたが、50才の頃からは公共建築に携わることが多くなってきました。
 1993年(平成5年)には、下諏訪町の「諏訪湖博物館・赤彦記念館」を設計しました。この建物の外観は、諏訪湖漁に使われた「丸太舟」をイメージしたもので、2階の展示室では天井を見上げると舟底のような木材の曲線が見られます。

4a赤砂埼公園a.jpg

4b.赤砂埼公園b.jpg
◆赤砂崎公園(2020年 下諏訪町)

 下諏訪町の「赤砂崎公園」は広域防災拠点として施設が整備されたもので、大規模災害発生時には救助活動拠点と航空搬送拠点になります。ふだんは多くの市民が公園、グラウンド、遊具などを利用しており、最近は車中泊もできるスペースができました。
 伊東氏はこの公園の基本構想を設計しています。そのコンセプトは、「5つの輪(和)」ということで、野の花のなかに5つの輪がうかぶというというものです。「輪」の一つ、「丘の輪」と名付けられた高さ8mの築山からは諏訪湖全体が見渡せ、湖の向こうには富士山も見えます。

5a.まつもと市民芸術館a.jpg

5b.まつもと市民芸術館b.jpg
◆まつもと市民芸術館(2004年 松本市)

 松本市にある「まつもと市民芸術館」は、本格的なオペラを上演できる1800人規模の大ホール、芝居などのための小ホールを持つ劇場です。
 湾曲した外壁には大小の不整形のガラス(ドット)がはめ込まれ、長い階段からホワイエにかけて外光が差し込んでいます。
 まつもと市民芸術館では今年も「セイジ・オザワ 松本フェスティバル(OMF)」のオペラ(8/26)をはじめ、さまざまなイベントが開催されます。圧巻の大ホールは、ぜひ一度訪れてみたいものです。

6.信毎メディアガーデン.jpg
◆信毎メディアガーデン(2018年 松本市)

 松本市にある「信毎メディアガーデン」は信濃毎日新聞松本本社を中心とした5階建ての複合施設です。
文化度の高い街にたたずむ櫓のようなイメージで設計され、市民や観光客が気軽に立ち寄れる広場のような場所を創ったそうです。
 1Fには、まちなか情報局、イベントホール、ショップ、カフェなど、2Fにはショップ、3Fにはスタジオやレストランなどがあります。

7.大田区休養村とうぶ.jpg
◆大田区休養村とうぶ(1998年 東御市)

 「大田区休養村とうぶ」は、東御市にある保養・宿泊施設です。日帰り温泉施設や各種のアクティビティ、研修施設などがあります。
 この建物は、自然の傾斜を生かし、300mもある長い三日月型の建築となっています。弧の内側から見た建物は、諏訪湖を取り囲んでそびえる山々のようにも見えます。

 その他にも、伊東氏が手掛けた長野県内の建築としては、蓼科や軽井沢の別荘、菅平のホテルなどがあります。
 また、松本市で上演された「フィガロの結婚」の舞台装置も設計されました。

 
 地形や自然を活かし、そこに人が集まり楽しんで使われる空間を創ってこられた伊東豊雄氏の建築を体感しに、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

 伊東豊雄建築設計事務所ホームページ

一覧ページへ
東急リゾートタウン蓼科LINE公式アカウント
TENOHA TATESHINA
MAP タウンマップ
MAP
close_btn
もりぐらしタウンマップ