蓼科の今
2023.09.30
こんにちは。タウンセンターの岩下です。今朝8時の気温は20℃、天候は曇りとなっております。
9月は防災月間です。
国土交通省や長野県では、防災意識向上のための普及活動や警戒避難・情報伝達体制の整備等を推進するためのさまざまな取り組みが行われています。
洪水や土石流等による被害を防止する対策としては、従来は堤防や堰堤を造るといったハード対策が行われてきました。
しかし地球温暖化に伴う気候変動の影響により洪水や土砂災害が増加するとともに、その規模が激甚化しています。そのため多大なお金と時間がかかるハード対策だけでは間に合わないことから、被害を抑えるために災害情報伝達や避難体制の整備といったソフト対策に重点が置かれるようになってきました。その一環として、過去の災害情報伝承の活動が行われています。
長野県砂防課では、「過去の災害に学ぶページ」というWEBサイトを整備するとともに、「災害伝承カード」を作って配布しています。
カードの表面には各地の災害に関連した写真を掲載し、災害の種類や要因、伝承形式を記号で記しています。
裏面は所在地や災害発生時期・周辺地形等の諸元、言い伝え・伝説などが取りまとめられています。
2019年の第一弾を皮切りに、2023年6月には第四弾のカードが配布され、長野県内77市町村全てについて計100種類のカードが発行されました。100枚並べると、かなり壮観です。
岡谷市では、2006年(平成18年)に小田井沢川の上流で土石流が発生しました。
下流にあった船魂社のシダレザクラは樹皮の多くをはぎ取られながらも樹勢を取り戻し、花を咲かせ災害復興の象徴となっています。
富士見町を流れる釜無川ではたびたび氾濫が発生し、甲州道中の蔦木宿は水害に見舞われました。
そこで、戦国時代から江戸時代初期に宿場の入口付近に「信玄堤」と呼ばれる堤防を設け、川除木を植えました。
現在はケヤキやキササゲ、サイカチなど4株が残っています。
なお、茅野市では守屋山が2022年にカード化されています。
2021年9月に守屋山山麓の下馬沢川で発生した土石流災害は、記憶に新しいところです。
これらの災害伝承カードは、現地、あるいは現地のある市町村役場の写真を撮って、最寄りの建設事務所や砂防事務所に行って見せるともらえます。
役所の写真を撮ってカードをもらい、裏に書かれている緯度・経度を地理院地図に入力して場所を確認すると現地に行きやすいと思います。
お天気のよい日に現地を訪れて、過去の災害に思いをはせてみてはいかがでしょうか。
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