蓼科の今
2024.09.22
こんにちは。タウンセンターの岩下です。今朝8時の気温は19℃、天候は雨となっております。
今回は、没後50年を迎えた詩人、尾崎喜八氏(1892-1974年)(以下敬称略)をご紹介しましょう。
美ヶ原高原のシンボル「美しの塔」には、尾崎喜八の代表作『美ガ原熔岩台地』の詩が刻まれています。
尾崎本人の書で、「登りついて不意に開けた眼前の風景に しばらくは世界の天井が抜けたかと思」ったそうです。
戦後の1946年から7年間を富士見高原の渡辺千秋氏の別荘「分水荘」で過ごし、高原の自然やそこに住む人々を主題とした詩やエッセイなど多くの作品を残しました。
現在、敷地は公園として整備され、「ふじみ分水の森」となっています。
富士見駅に近い「富士見町コミュニティ・プラザ」の前庭には、「富士見に生きて」の詩碑があります。
「・・・ その慕わしい土地の眺めが、今 四方の空をかぎる山々の頂きから 緑の森に隠れた谷川の河原まで 時の試練にしっかりと堪えた 静かな大きな書物のように 私の前に大きく傾いて開いている」
と、"親しくも厳しい"富士見の自然を記しています。
碑の裏側には、交流のあった串田孫一氏がコメントを寄せています。
尾崎喜八は、地元との交流を深める中で、講演や校歌作詞の依頼を受けるようになります。
富士見町や茅野市、岡谷市をはじめ、長野県内を中心に40校の学校の校歌を手掛けました。
画像は、茅野市立永明中学校の歌碑です。
作曲は、『ちいさい秋みつけた』や『めだかの学校』、『夏の思い出』などを作曲した中田喜直氏です。
「朝はさやけき八ヶ嶺や 霧も晴れゆく晴ヶ峯 諏訪のみずうみ明鏡の 光を投げる山の空 ・・・」と歌われています。
尾崎喜八の紀行文やエッセイ、詩集には、八ガ岳や霧ガ峯、八子ガ峯、入笠山、杖突峠など、信州の自然への想いがたっぷりとつづられています。
「富士見町高原のミュージアム」には、尾崎喜八の遺品や文学資料が多数展示されています。
尾崎喜八の"自然への愛情と生の悦び、詩と音楽に満ちた豊穣の世界"を味わってみてはいかがでしょうか。
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